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2026年8月は、Laravel Framework v13.24.0からv13.29.0にかけて、ファイルシステムの移行機能やScoutのセマンティック検索、Eloquent、キュー管理まわりの機能追加が続きました。Laravel CloudとLaravel Forgeでも大きめのアップデートがあり、公式ブログの月次プロダクトアップデート記事「Laravel August product updates」で公開されています。 参照元:

Laravel Framework

read-throughファイルシステムドライバー

ダウンタイムなしでストレージディスクを移行できるread-throughファイルシステムドライバーが追加されました。プライマリディスクを先にチェックし、ファイルがフォールバックディスクにしか存在しない場合はそこから配信しつつ次回以降のためにコピーします。新規の書き込みは移行先ディスクに保存され、古いファイルはアクセスされるたびに昇格していく仕組みです。詳細はファイルシステムページを参照してください。

artisan dev@laravel/multiplex経由で動作するように

v13.26.0で、php artisan devが内部で@laravel/multiplexを通して実行されるようになりました。開発サーバーやVite、キューワーカーなどを1つのタブUIで同時実行する仕組みが強化され、Viteを使わないプロジェクトで不要にVite起動やmultiplexインストールを促されていた問題も修正されました。

ScoutのTurbopufferとセマンティック検索

Scoutにバッチインデックスとベクター距離メタデータを備えたTurbopufferエンジンが追加されました。あわせて、Scoutのデータベースエンジン・Meilisearchエンジンでセマンティック検索とハイブリッド検索が使えるようになり、既存のScoutビルダーに->semantic()->hybrid()をチェーンするだけで、キーワードではなく意味による検索ができます。詳細は検索の統一ガイドScoutページを参照してください。

Cloudファサード

v13.27.0でIlluminate\Support\Facades\Cloudファサードが追加されました。アプリが実行時にLaravel Cloud上でホストされているかを検出したり、マネージドキュー接続の有無を確認して直接アクセスしたりできます。

Queue::forward()

v13.27.0でQueue::forward()が追加され、あるキュー接続からジョブを別の接続へ転送できるようになりました。

EloquentのrefreshForUpdate()

v13.29.0で、トランザクション内でモデルを再読み込みしつつFOR UPDATEロックを取得するrefreshForUpdate()メソッドが追加されました。詳細はEloquentページを参照してください。

ベクター検索のMariaDB対応

EloquentのAsVectorキャストや、whereVectorSimilarToorderByVectorDistanceなどのベクター類似度検索メソッドが、PostgreSQL(pgvector)に加えてMariaDB 11.7以降でも利用できるようになりました。

その他の変更

  • 画像処理でHEIC・AVIF形式のサポートが拡充されました。
  • クエリビルダーにwhereBinary()、EloquentビルダーにorWhereKey() / orWhereKeyNot()が追加されました。
  • #[BindWhen]属性で、条件を満たさなかったバインディングが再評価されるようになりました。
  • キューのテストフェイクに、ジョブの合計サイズを取得するtotalXSize系メソッドが追加されました。

Laravel Cloud

事前デプロイのパッケージチェック

Cloudがプッシュのたびにcomposer.lockを読み取り、Octane、Inertia SSR、Nightwatchなど不足・古いパッケージをデプロイ前に警告するようになりました。修正をプッシュすると通知は自動でクリアされます。

Managed Queuesの刷新

Managed Queuesに2つのコンピュートクラスが追加されました。ゼロまでスケールし1秒未満で起動する「Flex」と、レイテンシに敏感な安定したスループット向けに常時起動する「Pro」です。また、FIFOキューにより、決済や台帳更新のように順序が重要なワークロード向けに、ジョブが正確に1回・送信した順序どおりに配信されることが保証されます。

スコープ付きAPIトークン

組織のAPIトークンに、特定の権限へのスコープ設定と単一のアプリケーション・環境への制限が可能になりました。自動化やエージェントに必要最小限のアクセス権のみを与えられます。

Private CloudのHIPAA対応

医療系ソフトウェアを開発するチームがBusiness Associate Agreement(BAA)を要求し、専用の監査済みインフラにデプロイできるようになりました。

Laravel Forge

複数のソースコントロール接続

プロバイダーごとに複数のソースコントロールアカウントを接続できるようになりました。個人アカウントと組織アカウントを切り替えるたびに接続・切断していたチームに便利です。

Ubuntu 26.04

Ubuntu 26.04 LTSが全サーバープロバイダーで利用可能になりました。新規サーバーではUbuntu 22.04は提供されなくなりました。

その他の変更

  • アプリ内通知のプリファレンスが追加され、デプロイ成功やサーバーの停滞通知をメールとは別に個別にオン・オフできるようになりました。
  • 新規サーバーでBrotli圧縮モジュールが標準でコンパイル・ロードされ、Nginx設定で有効化できます。

まとめ

8月はストレージ移行を安全に行えるread-throughドライバーや、Scoutのセマンティック・ハイブリッド検索など、既存システムの信頼性と検索体験を底上げする変更が目立った月でした。Laravel Cloud側でもManaged Queuesの刷新やスコープ付きAPIトークンなど、本番運用を意識した機能強化が続いています。ベクター検索のMariaDB対応は、PostgreSQL以外のデータベースを使うプロジェクトにとって朗報です。
最終更新日 2026年9月5日